教壇をはさんで行われる知の運動
2017年8月15日 21時12分11秒 (Tue)

午前、4階新人コバヤシくんの新患さんのジャッジ。
緑ガストロ、青前脛骨筋。
身体機能は決して悪くないんだけど、ターミナルスタンスのここぞ、ってところで膝伸展位保持ができないのだ。

3人4脚で一発解消か、と思いきや、ここでも膝がふんばりきれない。
ふんばりきれないというか、不安感から力を抜いてしまう感じ?
ガストロも肝心のタイミングで収縮が見られにくくなるのだ。
原因はたぶん、急性期の理学療法にあるような気がするんだが…
じゃぁこの問題に対してどの道具を選択するか、が回復期のPTの腕の見せどころ。
今日のところはボキの意見はあんまり言わずに、コバヤシくんと師匠のクリームの2人に考えてもらうことにしました。
これからどんな道具使ってどんな運動する?
彼らがどんな答えを用意してるか、楽しみンゴねぇ。

明後日のガイドラインの研修のスライド…まだ完成してないんだけど、その研修のあとに新人とそのプリセプターを対象とした研究法入門講座、って研修会もやるん。
こっちのスライドもまだできてない。
ようやく今日作り始めました。

これ、うちのセラピストには何度か聞かせたかもしれないけど、やっぱりボキが身をもって感じた、エビデンスの大事さというか…エビデンスがいかに患者の気持ちを奮い立たせるか、という話ができると思うので、今回もその話をしておこうと思ってます。

ちなみに『脳卒中 リハビリテーション』でググってみたら、一番上に出てきたのが国立循環器病センターのホームページ。
そこに脳卒中の歩行練習はこんなのだ、って、こんな感じで書いてある。
これはエモいなぁ…
時間がないけど、エビデンスの講習会と、研究法入門の講習会…早く仕上げなきゃ。
新人さんに何とかメッセージが伝わればいいのですが。
毎年毎年エビデンスの話をしても、真意がなかなか伝わらないのでもう終わりにしようか、って思ったりしますが、やっぱり諦めない。
タッツーの『街場の教育論』より。
いつものお馴染みのお話。
教師というのは、生徒をみつめてはいけない。
生徒を操作しようとしてはいけない。
そうではなくて、教師自身が「学ぶ」とはどういうことかを身を以て示す。
それしかないと私は思います。
「学ぶ」仕方は、現に「学んでいる」人からしか学ぶことができない。
教える立場にあるもの自身が今この瞬間も学びつつある、学びの当事者であるということがなければ、子どもたちは学ぶ仕方を学ぶことができません。
これは「操作する主体」と「操作される主体」という二項関係とはずいぶん趣の違うもののように思います。
前にラカンを引いたときに、教師が教師として機能するのは教壇に立っているからだと申し上げました。
「人は知っている者の立場に立たされている間はつねに十分知っている。教える者としての立場に立つ限り、その人が役に立たないということは決してない」。
ラカンはそう言っていました。
「教壇に立つ」というのは、そのこと自体が、「私は教育の有効性を信じている」と信仰告白することです。
私もまたかつては教壇の「そちら側」に座っていて、師の言葉を書き取っていた。
今、私は教壇の「こちら側」に立っていて、私の言葉を書き取らせている。
そういう立場になることになったのは、私がこの「教壇をはさんで成立する関係」を信じたからである。
その関係を信じるものは、いずれこの教壇の「こちら側」に立つことができる。
教師は教壇に立っているだけですでに無言のうちにこれだけのことを述べているわけです。
何も言わなくても、何もしなくても、「私は教壇をはさんで行われる知の運動を信じる」という信仰告白を、教師は教壇のこちら側に立つことによってすでになし終えているのです。
…昨日も今日も、ボキの情熱に水をぶっかけるような出来事が起こりまくりラクリマクリスティてすが、全部受け入れていきマッスル。
明日は病棟落語&オリベッティとの情報交換会。
コメント
篠登録ユーザー
無題
ご存じと思いますが、関連するこれも名文です
自分は自分がよく知らないこと教える。なぜか、教えることができる。生徒たちは教師が教えていないことを学ぶ。なぜか、学ぶことができる。この不条理のうちに教育の卓越性は存する。それを知って「感動する」というのが教師の唯一の条件だと私は思う。
長い時間をかけて、この巧妙な制度を作り上げた先人たちの知恵に敬意を払うこと、それだけが教師の条件だと私は思う。
もし、生徒たちが学んだことは、どれも教師がすでに知っていたことの一部を移転したにすぎないと思っている教師がいたとしたら、私は「そのような人間は教卓に立つべきではない」と思うし、当人にはっきりそう告げるだろう。
その人には「教育制度に対する敬意がかけている」からである。
教育制度に敬意を持てないものは教師になるべきではない。
教育の奇跡とは、「教わるもの」が「教えるもの」を知識において技芸において凌駕することが日常的に起きるという事実のうちにある。「出力が入力を超える」という事実のうちにある。
中略
今日の「教育危機」なるものは、世上言われるように、教師に教科についての知識が不足しているからでも、教育技術が拙劣だからでも、専門職大学院を出ていないからでもない。そうではなくて、教師たちが教育を信じるのを止めてしまったからである。
教師が教育を信じることを止めて、いったい誰が教育を信じるのか。
教師たちが政治家やメディアや市場原理を信じる保護者たちの要請に屈して、「教育とは代価に見合う教育商品・教育サービスを提供するビジネスの一種である」という教育観を受け容れたときに、商取引のタームで教育が語られることを許したときに、教育の奇跡は息絶えるだろう。
「教卓の向こう側」には圧倒的な知的アドバンテージを有するものが存在する。生徒たちが差し出すどのような代価も、教師からの「贈り物」の価値を相殺することはできない。その信憑だけが私たちをドクサの檻から解放してくれる。
僕は、いつも教壇の「そちら側」でブログを読んでます。
自分は自分がよく知らないこと教える。なぜか、教えることができる。生徒たちは教師が教えていないことを学ぶ。なぜか、学ぶことができる。この不条理のうちに教育の卓越性は存する。それを知って「感動する」というのが教師の唯一の条件だと私は思う。
長い時間をかけて、この巧妙な制度を作り上げた先人たちの知恵に敬意を払うこと、それだけが教師の条件だと私は思う。
もし、生徒たちが学んだことは、どれも教師がすでに知っていたことの一部を移転したにすぎないと思っている教師がいたとしたら、私は「そのような人間は教卓に立つべきではない」と思うし、当人にはっきりそう告げるだろう。
その人には「教育制度に対する敬意がかけている」からである。
教育制度に敬意を持てないものは教師になるべきではない。
教育の奇跡とは、「教わるもの」が「教えるもの」を知識において技芸において凌駕することが日常的に起きるという事実のうちにある。「出力が入力を超える」という事実のうちにある。
中略
今日の「教育危機」なるものは、世上言われるように、教師に教科についての知識が不足しているからでも、教育技術が拙劣だからでも、専門職大学院を出ていないからでもない。そうではなくて、教師たちが教育を信じるのを止めてしまったからである。
教師が教育を信じることを止めて、いったい誰が教育を信じるのか。
教師たちが政治家やメディアや市場原理を信じる保護者たちの要請に屈して、「教育とは代価に見合う教育商品・教育サービスを提供するビジネスの一種である」という教育観を受け容れたときに、商取引のタームで教育が語られることを許したときに、教育の奇跡は息絶えるだろう。
「教卓の向こう側」には圧倒的な知的アドバンテージを有するものが存在する。生徒たちが差し出すどのような代価も、教師からの「贈り物」の価値を相殺することはできない。その信憑だけが私たちをドクサの檻から解放してくれる。
僕は、いつも教壇の「そちら側」でブログを読んでます。
投稿日:2017年8月15日 23:44
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プロフィール
- ニックネーム
- 中谷知生
Tomoki Nakatani - 所在地
- 兵庫県宝塚市にある、宝塚リハビリテーション病院に勤めています。
- 職業
- 理学療法士です。
Certificated physical therapist in Neurology
- 自己紹介
- I am interested in physiotherapy for improvement of gait ability of a patient with stroke hemiplegia.
And I'm a member of Japan Physical Therapy Association stroke guideline crew.
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