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卒中八策 その七 フリーハンド歩行を心掛けよう

なぜフリーハンド歩行が大事か

理由1:フリーハンド歩行を行うことで、損傷を受けた脳の機能回復が期待できるから

ソース:吉尾雅春


理由2:フリーハンド歩行を行うことで、リズムの良い歩行動作が可能となり、セントラルパターンジェネレータが賦活化されるから

ソース:私の想像です


理由1についての解説


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これ、ちょっと画質があれなんで申し訳ないですが、吉尾先生の資料です。

なんでフリーハンド歩行が望ましいのか、って話ですけれども。

左片麻痺の患者さんに対する歩行練習の考え方です。

aは健康なときに本来働いている範囲をあらわしてます。

で、右半球損傷によって右半球はbのレベルまで影響を受けて機能低下を呈するとします。

この状況で、右手に杖なんかを把持させてしまうと、cのように左半球が積極的な活動をしてしまって、結果的に右半球の活動がdのレベルに抑制されてしまうんですよ、という話です。

吉尾先生マニアを自称する私ですが、この話、わかったようでわからんような印象を持ってたんですね。

でもつい先日、2012年4月10日の産経新聞生活欄にこんな記事がありました。

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記事の内容は経頭蓋磁気刺激についてなんですが。

ここで東京慈恵医大の安保教授が語ってます。

『大脳半球は左右でバランスをとって機能しているため、片方が損傷を受けると、正常な側の活動が活発化し、損傷を受けた側の働きを抑え過ぎてしまう。このため、磁気刺激によって正常側の活動を抑えると、損傷を受けた側が活性化し、病巣周辺で失われた機能を代償しようという働きが起こる』

うん、これはわかりやすい。

正直、吉尾先生の図よりもこっちのほうが私には感覚的に入ってきやすい。

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その記事の図がこれですわ。

いや、私、基本的な学力にかなり問題があるもんで。

でもこの記事で、なんとなくつながったように思いました。

我々理学療法士が患者さんに杖を持たせず、フリーハンドで歩行トレーニングを実施することは、この経頭蓋磁気療法と同じコンセプトなんですよね。

吉尾先生も講義で言っておられました。

『杖を使うということは、抑制したい脳のエリアを使わせてしまうことになる。ADLを上げたいのか、それとも脳のシステムを整えたいのか?』

うん、さすが吉尾先生。

やっぱり大好き。



…というわけで、私自身はフリーハンド歩行の効果というものを日々実感しておるわけです。

理由2についての解説

ヒトにCPGはあるのか?
…というテーマでグーグル先生に尋ねてみると、いろんな解答が得られます。
以下の内容は川崎医大のリハドクターの方のサイト。


Q:

最近、CPGという言葉をよく耳にしますが、どのようなものでしょうか。また、CPGとリ

ハビリテーション医学との関連についても教えてください。

A:

CPGはcentral pattern generatorの略語です。頸・腰髄膨大部に存在する歩行、呼

吸、咀嚼運動などのリズミックなパターン運動を惹起する神経回路網のことで、脳や

感覚入力から独立してパターン運動を誘発するジェネレーターということができます。

中枢パターン発生器という日本語訳が使用されることがありますが、定着しておらず

‘CPG’が一般的です。

歴史的な背景をお話しますと、CPGの前身となる概念が最初に提唱されたのは

1911年のことで、Brownらは除脳ネコの実験から屈筋と伸筋の興奮を交互に引き起

こすhalf-centerが脊髄内に存在するという仮説を発表しました。1970年代から、より

下等な脊椎動物(ヤツメウナギやイモリなど)を用いた研究が行われ、末梢神経や上

位中枢からの入力を遮断した状態でも歩行様運動が誘発されることが明らかになり

ました。Grillner1)は、上位ニューロンからの単なる神経ネットワークやhalf-center 

modelとはやや異なり、脊髄内の複数のburst generatorの相互作用によりリズミッ

クな屈筋・伸筋の筋活動が誘発されるというコンセプトを提唱しました。その後、リズ

ム運動を誘発する脊髄内のイオン機構や神経ネットワークの解明がすすみ、これら

にまつわる神経機構のことがCPGと称されるようになりました。

CPGがヒトに存在するか否かはしばらく議論の的でしたが、1998年にDimitrijevicら

2)は完全対麻痺患者の腰髄膨大部付近を一定の周波数で硬膜外電気刺激を行い、

リズミックな歩行様運動を誘発することに成功しました。この事実は、ヒトの脊髄内の

神経群が脳から独立してリズミックな運動を惹起しうるという証拠を示したことになり

ます。Yangら3)は、ハーネスで支持された乳児がゆっくり動くトレッドミル上で歩行様

の下肢の交互運動を行ったと報告しました。足底や股関節からの感覚入力刺激が

CPGを賦活化させたと考えられます。

このような研究を背景に、近年CPGの賦活を介して歩行機能の向上を図るべく、リズ

ミックな運動がリハビリテーションに応用されています。部分免荷トレッドミル訓練や

ペダリング訓練は歩行不可能でも座位が可能であれば施行可能です。特に前者で

は脊髄損傷患者で多くのエビデンスが蓄積されました。最近では脳卒中患者、脳性

麻痺児でも効果が示されています。

文献

1) Grillner S: Neurobiological bases of rhythmic motor acts in vertebrates. Science 1985; 228: 143-149

2) Dimitrijevic MR, et al: Evidence for a spinal central pattern generator in humans. Ann N Y Acad Sci 1998; 860: 360-376

3) Yang JF, et al: Infant stepping: a method to study the sensory control of human walking. J Physiol 1998; 507: 927-937

(川崎医科大学 青柳陽一郎)



もう一個いっときましょか。

東京学芸大学の小宮山先生の文章を拾ってきました。

『ヒトにおける上・下肢リズム運動の発生機序の解明とその応用』

【研究の背景】

歩行や走運動などの移動行動は、日常生活のみならずスポーツ活動等の根幹をなす

非常に重要な運動行動の一つです。これら移動行動の大きな特徴の一つは上肢と下

肢のリズミックな協調運動にあります。100年以上にわたる実験動物を対象とした研

究によって、これらの移動行動の運動パターン発生の基礎となる神経機構が脳幹や

脊髄に存在することが明らかにされています。特に、脊髄に存在する歩行パターン発

生に関与する神経機構はcentral pattern generator(CPG)と呼ばれています。我々

の研究グループでは、ヒトにおけるCPG の機序を研究することにより、新たなスポー

ツトレーニング方法の開発等につながる可能性があると考え研究を行って来ました。

【研究の成果】

ヒトでCPG の動態を観察する手段の一つとして皮膚反射があげられます。皮膚反射

とは、皮膚に対する接触や圧などの機械的な刺激により誘発される素早い反射で

す。これまでに、皮膚反射を作り出すニューラルネットワークは、CPG の強い影響下

にあることが証明されています。そこで、我々は、カナダの研究グループと協力して、

下肢の皮膚反射を歩行運動中に誘発し、その動態を観察することにしました。その結

果、皮膚反射の出力は、歩行運動の位相によって大きく変化すること、また、その変

化は、立位中の静的な運動時とは全く異なることを明らかにしました(Zehret al., 

1997,1998)。これらの結果は、歩行運動時の皮膚反射の変化は、意図的な運動制

御系による調節とは異なり、CPG によって調節されていることを強く示唆します

(Komiyama et al., 2000)。近年我々は、下肢だけではなく上肢のリズミックな運動遂

行時にもCPG が機能発現すること、さらに上肢と下肢をリズミックに運動すると、上・

下肢のCPG は相互作用するという知見を得ております(Sakamoto et al., 2007)。さら

に、これらの研究成果を応用し、脊髄損傷による運動傷害を持つ人々のリハビリテー

ション手段として期待されている受動歩行装置を用い、ヒトにおけるCPG の機能発現

について検討を行いました。その結果、体重を完全に免荷した受動歩行では皮膚反

射は変化しないこと、すなわちCPG は駆動されないことが明らかになりました

(Nakajima et al., 2008)。実際には、体重の30%程度の負荷が下肢にかからないと

CPG が駆動しないようです。これらの知見は、脊髄損傷等による運動傷害のリハビリ

テーションでは、下肢の負荷感受性受容器を活性化することが非常に重要であること

を示しています。

【今後の展望】

これまでに我々が得た知見は、CPG 機能全体から見ればほんの一側面に過ぎませ

ん。今後は、様々な律動運動時の上下肢のCPG の独立機能ならびに相互作用をさ

らに詳細に電気生理学的な方法を駆使して解明するとともに、それらの研究成果を踏

まえたスポーツトレーニング手段や四肢の運動障害に対するリハビリテーションプログ

ラムの開発につなげて行きたいと考えております。



…そういえば先日大畑光司先生の講習会でもCPGについていろいろ講義されてました。

また時間のある時に内容をアップしたいと思いますが。


で、私が言いたいのは、フリーハンド歩行をすると、ものすごく歩行リズムが良くなります。

これはおそらくCPGの賦活にもきっと役立っているんじゃないかな、と思うわけです。


・部分免荷トレッドミル歩行練習の特徴

フリーハンド歩行の効果におけるセントラルパターンジェネレータ、について考える時、

参考になるといつも思うのが部分免荷トレッドミル歩行、いわゆるBWSTTです。

2010年の理学療法学37巻3号に埼玉医科大学の武井氏が

『回復過程の脳卒中片麻痺者への部分免荷トレッドミル歩行練習の特徴 -異なる歩

行練習間の歩行速度変化、歩行距離、歩容の比較-』という論文を書いたはります。

【目的】

回復過程の脳卒中片麻痺者への部分免荷トレッドミル歩行練習の特徴を検討するこ

【方法】

脳卒中片麻痺者30例を対象に、BWSTT、平地歩行練習(TOF)、トレッドミル歩行練

習(TOT)のいずれかを選び、1日ごと無作為に実施。

【結果】

1日練習後、麻痺側単脚支持率はBWSTTではTOTよりも有意に増加した。

遊脚相の左右対称性は、BWSTTとTOTはTOFよりも有意に高かった。

【結論】

回復過程の脳卒中片麻痺者へのBWSTTは、麻痺側単脚支持率を増加し、左右対称

な歩行パターンでの歩行練習を促す特徴があると考えられた。


…って、これが要旨の要旨ですが。

この論文、ええことがいっぱい書いてあります。

以下抜粋します。


これまで、脳卒中片麻痺者への歩行の改善を目的とした理学療法は、歩行自体が困

難な場合には立位保持や立位重心移動練習など歩行に必要と考えられる要素の改

善を図り、歩行を可能とする方略で行われてきた。

これに対して、1990年以降は動作を行う環境によって、遂行される動作能力が異なる

というダイナミック・システムズ理論に基づき、より高いパフォーマンスを促せるような

環境で動作を反復し、運動学習および機能改善を図る課題志向型アプローチが注目

されている。

脳卒中片麻痺者に対する部分免荷トレッドミル歩行練習は、代表的な課題志向型の

歩行練習である。

その特徴としては、平地歩行が困難な状態であっても早期から歩行練習を促すことが

できること、長距離の歩行練習が可能なこと、左右対称な歩行パターンでの練習が

可能なこと、などが報告されている。

また、BWSTTの継続による平地歩行への効果については、歩行速度や歩行パターン

の左右対称性において他の練習様式よりも有意に改善したと報告されている。

これらの改善の生理学的背景は、近年の脳イメージング技術の進歩に伴い、脳の再

組織化として説明されている。

すなわち、脳損傷後でも脳の可塑的変化を生じることが明らかになってきており、

BWSTTは運動課題を高頻度に、より正常に近い運動様式で行うことによって脳の再

組織化を促進するための方法としても期待されている。



また、考察では

『回復過程の脳卒中片麻痺者に対するBWSTTは、麻痺側下肢の残存機能を活かし

た左右対称な歩行パターンでの練習を促す特徴がある』

と述べられています。


なぜBWSTTにはそのような効果があるのか?

・BWSTTは転倒への不安を除去でき、心肺機能への負担を減少できるためTOFや

TOTに比べ高速度で長距離の練習が可能である。

・トレッドミルを使用することで歩調を合わせやすくなる。

などが挙げられるそうです。


…ここで私が個人的に想うんですが、この部分免荷トレッドミル歩行練習のメリットっ

て、殆どそのまま長下肢装具を用いたフリーハンド歩行練習のメリットに置き換えられ

ると思うんですよ。

損傷を受けた脳の機能回復を考えつつ、

リズム良く歩行してCPGを活性化させて、

麻痺側下肢の残存機能を活かした歩行練習。


そうでしょ?

誰か賢いヒトが研究して、置き換えてくださいよ。

千里の吉尾先生、お願いします。


って、ちょっと話がそれましたが、つまりフリーハンド歩行は、よりリズミカルな歩行動

作を促通する可能性が高いんじゃないか。

だから効果的と言えるんじゃないか。

ということを言いたかったわけです。


おまけ:みんな大好き自転車エルゴメータについて

みなさん、自転車エルゴメータ、好きでしょ?え?そんなことない?いや、このページを覗いてるPTのあなた、そう、あなたですよ。
自転車エルゴはPTの大好物のはずなんです。
かくいう私も自転車エルゴメータ大好きです。
何かというとエルゴやります。
でね、自転車エルゴメータについての文献は結構興味あるんですよ。そしたらとあるサイトでこんなの見つけました。

これ、フリーハンド歩行を通して左右対称性の運動の促通がどうたらこうたら、ということを考える上で、非常に参考になる部分が多いので紹介します。


A biofeedback cycling training to improve locomotion: a case series study based on gait pattern classification of 153 chronic stroke patients.
Journal of neuroengineering and rehabilitation, 2011
視覚的フィードバックを付加した自転車トレーニングの歩行能力への影響を調査した

報告です。

慢性脳卒中患者153名を歩行パターンに応じて3つに分類。・速度は遅く、左右対称

的に歩行するグループ(G1)・速度は遅く、左右非対称に歩行するグループ(G2)・速

度は速いが、左右非対称(腱側の過剰努力)に歩行するグループ(G3)視覚的フィー

ドバックは、左右の回転トルクをフラフィック上に表示し、これを対称性に維持するよう

自転車トレーニングを実施。
トレーニング期間を2週間とし、その前後で歩行パターン分析を行った。その結果、G2

で歩行スピードが上昇し、左右の対称性が改善された。さらに、G3においても歩行時

の左右対称性が改善され、腱側の過剰努力が緩解した。

という話。 

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自転車トレーニングは、非麻痺側下肢で容易に麻痺側下肢の回転トルクを代償するこ

とができる運動様式である。
そのため、無知な使用方法によっては、非麻痺側の過活動を高める誤ったトレーニン

グになる。
今回の報告のように、麻痺側・非麻痺側それぞれの回転トルクを視覚的に提示するこ

とによって、非麻痺側の代償性活動の抑制が可能となり、対称的な律動運動が歩行

能力の向上に寄与するのだろう。
自転車トレーニングは、ただ漕げば良いというものではない。いくつか自転車トレーニ

ングの文献を報告してきたが、如何にトレーニング様式を患者さんに最適化させ、歩

行能力の向上に繋げられるのか。セラピストの知識とセンスが問われると思う。 


…あ、これは私の考察ではありません。
この文献を紹介してた、とあるサイトの内容そのまんまです。
大学病院で研究と臨床をやってるPTさんみたい。
この自転車エルゴメータの使い方の話、考察も含めてすごく参考になる話だなと思いましてね。
さて、ここでちょこっと見ていただきたいのがこちらのスライド。


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これ、2011年の全国学会の発表用スライドです。
タイトルの通り、自転車エルゴメータを用いたトレーニングで歩行時のセカンドピーク値が増大したという報告。
それぞれのスライドの下に読み原稿をくっつけて、学会発表時の内容をそのままお伝えします。
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目的です。 脳卒中片麻痺患者の歩行の特徴として、麻痺側立脚後期の足関節底屈トルク、以下セカンドピーク、の不足があります。セカンドピークは歩行速度と相関があり、歩行能力を測るうえで重要な指標のひとつです。 今回、ペダリング動作により比較的容易にセカンドピークを発生させることが可能であった症例について報告します。

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方法です。対象者は発症より23日経過、下肢ブルンストロームステージは−4、麻痺側足関節の底屈運動は単脚での踵上げが可能でした。 研究デザインはABA法によるシングルケーススタディで、期間は37日間でした。トレーニングはA1期とA2期ではステップ動作を、B期では自転車エルゴメータでのペダリングを行いました。 効果判定は川村義肢社製ゲイトジャッジシステムで計測したセカンドピーク値としました。 結果は二分平均法により回帰直線と傾きを求め、分析を補完する目的で二項分布の確率を用いました。

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ゲイトジャッジシステムについて説明します。歩行中のトルクや関節角度の計測には、通常大規模な機器が必要ですが、ゲイトジャッジシステムでは、短下肢装具ゲイトソリューションの油圧ユニットに生じる力を計測することで、運動力学的情報を簡便に得ることができます。

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ここでは当院スタッフで計測した画像をもとに、健常歩行における底屈トルクの特徴を説明します。 健常歩行では、1歩行周期に2度の底屈トルクが発生します。これはファーストピーク、セカンドピークと呼ばれており、それぞれ正しいヒールロッカーとフォアフットロッカーが保障されていることを示します。

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本症例の操作導入前、麻痺側立脚後期の模様です。セカンドピークが見られないことから、フォアフットロッカーを獲得する必要があると考えました。 先行研究において、セカンドピーク値はターミナルスタンスにおける腓腹筋の筋活動量と相関が認められています。そこで、ターミナルスタンスでの腓腹筋の機能を向上させるトレーニングを検討しました。

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A1期では、ステップ動作を行いました。しかしステップ動作では立脚後期に膝関節が屈曲位となり、足関節の底屈方向への運動が確保できませんでした。 筋力評価より、立脚後期に膝関節を伸展位で保持するだけの筋力はあると思われ、口頭指示もしくは徒手的な動作修正を試みましたが、症例からは『タイミングがわかりにくい』との訴えが聞かれ、修正は困難でした。

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そこでB期では、自転車エルゴメータを用いたペダリング動作を行いました。 当初は自力で底屈トルクを発生させることが難しかったため、下死点前後でセラピストが徒手的に底屈運動を誘導しました。 数度のトレーニングで、誘導のない状態でも安定してトルクを発生させることが可能となりました。

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導入後の歩行です。ターミナルスタンスにおいて膝関節伸展位での保持が可能となり、セカンドピークが出現しました。

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結果です。各期間の底屈トルク平均値・回帰直線の傾きともにB期で増大し、A2期でもそれは維持されました。 二項分布の結果有意差を認め、B期において底屈トルクが有意に増大していました。

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考察です。ペダリング動作に着目した理由について説明します。これは当院セラピストのペダリング動作を行っている様子です。 健常者のペダリング動作では、下死点前後で足関節底屈運動が起こり、トルクが計測されることから、下腿三頭筋の筋活動の存在が伺われます。 先行研究でも、歩行動作とペダリング動作では活動する下肢筋群の継時的な順序の類似性、またペダリング動作で腓腹筋が高い筋活動を示すことなどが明らかになっています。これらのことから、ペダリング動作練習を行うことが有効なトレーニングではないかと考えました。

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ステップ動作とペダリング動作の違いは、セラピストによる足部の誘導の行いやすさにあります。 本症例のように筋力を発揮するタイミングを理解することが重要なケースでは、荷重量を調整することが可能であるペダリング動作において、関節運動を誘導したことが効果的であったのではないかと考えました。

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まとめです。 片麻痺患者におけるセカンドピークのトレーニング法を検討しました。ペダリング動作において、足関節底屈運動を誘導することで動作の理解が容易となり、セカンドピーク値が有意に向上ました。 歩行能力向上を目的としたペダリング動作を行う際には足関節の動きに着目することでより効果的なトレーニングが可能になるのではないかと考えました。

…どうですか?
発表時の考察では、エルゴの利点としてセラピストの誘導が可能な部分に焦点を当ててますが、この症例のトレーニングではゲイトジャッジのモニターを患者さんに見てもらいながら底屈筋のトレーニングを行いました。
それによって足関節の使い方が変わるんですよね。

自転車エルゴを使用する際に、視覚的フィードバックを併用することでトレーニング効果は確実に高まると思うんです。

だから、将来的にゲイトジャッジ付きの自転車エルゴメータを川村義肢が開発してくれないかな…なんて。


というわけで、まぁ結論を述べますとですね、リズム良く運動したらええんとちゃいますか、と。
ただそれだけのことですわ。

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ニックネーム
中谷知生
所在地
兵庫県宝塚市にある、宝塚リハビリテーション病院に勤めています。
職業
理学療法士です。

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